ADLが開発した「MFT」フレームワーク
'MFT' framework developed by ADL
ADLの開発してきたフレームワークの中の代表例である「MFT (Market Function Technology)」
 
について紹介します。

ADLは、長年にわたり、企業のイノベーション創出、技術・市場戦略、組織マネジメントの支援を行っており、クライアントの目的に応じて独自の手法を開発し、様々な企業の戦略づくりに貢献してきました。例えば、SMT (Strategic Management of Technology)や、SPRO(Strategy, Process, Resource, Organization)といった手法以外に、MFT(Market Function Technology)のような手法が代表例として挙げられます。

 

ここでは、1999年にADLによって開発されたMFTⓇ について、その詳細を紹介いたします。MFTはMarket(市場)の要求と、それを実現するTechnology(技術)の相関関係を、両者の中央に位置するFunction(機能)によって、結びつけ、様々な業界や事業における市場・課題・開発技術の連関関係を整理するのに有効なツールとなります(図A)。

MFTⓇ は登録商標第6736647号としてADLにより登録されています。

図A MFTは提供価値によって、市場と技術を結び付けるツール

 

MFT framework

 

新規技術や新規開発におけるイノベーション創出においては、技術視点だけのシーズ起点、顧客視点だけのニーズ起点の、どちらかだけの視点では成功の確率が低いことは周知の事実です。このため、顧客視点を重視しながら、いかに企業の持つ技術シーズを用いて、顧客の課題を解決できるかを検討することが重要になります。

図AにおけるMarket側では、市場ニーズを記述し、一方のTechnology側では、技術シーズを明確化します。これを中央の、Function部において、提供価値(顧客の嬉しさ)により、結びつけることで、顧客と技術の関係を明らかにできるものです。

■MFTの経緯
1999年 ADL東京オフィスがMFTを開発
株式会社技術情報会企画編集、「新規R&Dテーマを設定するための経営層への効果的な説明・説得の仕方」、第1版、株式会社技術情報会、2017年5月31日、P.33-57のP.34において、著者であるアーサー・ディ・リトル・ジャパン代表の原田裕介が「MFT(Market-Function-Technology)は、ADL、それも東京オフィスにて開発した手法であり、1999年に最初のプロジェクトで使用して以来、数多くのプロジェクトで活用してきている。」と記述しており、「MFT」といえば、ADLが開発し、使用し続けているものです。

2010年3月 経済産業省の「平成21年度産業技術調査事業(技術に関する施策調査)」をADLが受託し、MFTを用いて各産業の特性を分析
プロジェクトで使用された一例として、経済産業省の「平成21年度産業技術調査事業(技術に関する施策調査)」をADLが受託し、MFTを用いて各産業の特性を分析したレポートが公開されています。
このP.3には、「Market(市場)」、「Function(提供機能)」及び「Technology(技術)」の3項目がこの順番で左から右へ並べられるとともに、「Market(市場)」から「Function(提供機能)」へ矢印様の図形が描かれかつ「Function(提供機能)」から「Technology(技術)」へ矢印様の図形が描かれていて、これらが密接に関連していることが表されています。

2010年9月 グロービスのMBA経営辞書「MFTフレーム」にADL発であることが記載
グロービスのWebサイト「MBA経営辞書」のページで、「MFTフレーム(MFTFrame)」という見出しのもと、「要素技術(シーズ)と市場ニーズの間に、「ファンクション」(効用)という概念をおくことで、製品化や事業化のイメージを容易にすることを意図したフレームワーク。コンサルティング会社のアーサー・D・リトルによって開発された。」という記載があります。